新刊書(旧刊書も)

新刊書および旧刊書の案内などしてみたいと思いますが、どうなりますやら。(ちなみに自分で見てもとても偏りがあり、しかもまとまっていません、ご注意下さい。また

「自分の本が出てない」とか「リンクせよ」

というご批判は歓迎致します。)

  1. 桂利行 、 代数幾何入門、 共立講座21世紀の数学、 共立出版
  2. 石井志保子 、 特異点入門、 シュプリンガー現代数学シリーズ、 シュプリンガーフェアラーク東京
  3. 木村達雄 、 概均質ベクトル空間、 岩波書店
  4. 脇本実 、無限次元 Lie 環、 岩波講座現代数学の展開3、 岩波書店
  5. Harish-Chandra (Notes by S. DeBecker and P. J. Sally, Jr.), Admissible invariant distributions on reductive $ p $-adic groups, University Lecture Series 16, AMS, 1999.
  6. W. Fulton , Young tableaux, London Math. Soc. Student Texts 35, Cambridge Univ. Press, 1997.
  7. 堀田良之 、 環と体2、 岩波講座/現代数学の基礎、 岩波書店、1998
  8. 向井茂 、 モジュライ理論1、 岩波講座/現代数学の展開/13、 岩波書店, 1998
  9. Joe Harris 、 Algebraic Geometry -- A first course、 GTM 133, Springer Verlag, 1995 (corrected 3rd printing, original in 1992).
  10. R. Bott / L. W. Tu (三村護訳)、 微分形式と代数トポロジー、 シュプリンガー・フェアラーク東京, 1996
  11. 示野信一 、Maple V で見る 数学ワールド、シュプリンガー・フェアラーク東京, 1999
  12. A. Borel , Semisimple groups and Riemannian symmetric spaces, Hindustan Book Agency, New Delhi, 1998 ISBN: 81-85931-18-6
  13. 高橋哲也、 $ p $ 進体上の簡約代数群の admissible 表現入門、Rokko Lectures in Mathematics 4, 神戸大学理学部数学教室
  14. 大島 利雄,小林 俊行、岩波講座 現代数学の基礎 17〔12/13〕 Lie群とLie環 1・2 (本体 4,000円)、岩波書店


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桂利行,
代数幾何入門,
共立講座21世紀の数学、 共立出版

scheme theoretic な代数幾何の入門書というと Hartshorn ということになるんでしょうけど、 ちょっと敷居が高い。ちなみに西山は読んでない (^^;;; でも読まなクッチャ。
この本はやはり scheme theoretic な代数幾何の入門書だけど、かなり薄くて、しかもある程度初心者が読めるような工夫がしてある。 また、 curve の場合にかなり詳しくいろいろと計算されているのがよい。 ある程度射影幾何とかに慣れた人で、専門とはしないけど代数幾何を勉強したい人にはお勧め。
もっとも最後のコードの理論は不要かも知れない。 面白くなかったですね、この部分は。この本の目玉かも知れないんだけど。

同じ共立の講座の川又さんのはこれより少しレベルが高めですね。 最後に極小モデルの入門が書いてあるけど、こちらはまだ読んでない。

[Tue Dec 28 17:59:51 JST 1999]

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石井志保子,
特異点入門,
シュプリンガー現代数学シリーズ、 シュプリンガーフェアラーク東京

いやぁ、まいった。シュプリンガーは「入門」てつけるの好きだけど、初心者にはキビシイですね。
最初の70ページはやはり飛ばして読むべきだと思いますが、 これってやはり無駄だったんじゃないのかなぁ。 著者もあまり気乗りしないようなことが書いてあったし。 general non-sense の集大成みたいで無味乾燥、全然面白くない。

あ、でも第3章以降はとても面白いです。 スリリングでさえある。 だいたい特異点の本ってあまり出てないんですよね。 一番面白いものだと思うけど。 この本を読んで、例外曲線とかっていうのにようやく慣れてきました。

いや、私も一応教師やってんですけど、物事をあんまり知らないです。<(_!_)> ゴメンナサイ>生徒たちへ
もっとも西山は最初の方は飛ばして真ん中の100ページくらいをややまじめに読んだ程度なんですが、 それでも得るものは結構大きかったです。

各章に警句みたいなのがついてるんだけど、これもまた面白い。 石井さんのオリジナルなんでしょうか? 一番気に入ったのは

小人例を忘れ、
また例に溺れる
ってやつ。 ああ、確かに、と自分を含めて思いあたります。

成木さんの本が同じシリーズで予告されてたと思うのですが、 そちらの方も期待したいです。

[Tue Dec 28 18:11:02 JST 1999]

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木村達雄,
概均質ベクトル空間,
岩波書店

一気読みしましたが、木村さんてすごいパワーを持ってますよね。 最初の部分でさえ、その計算はすごい。 例えば代数群の Lie 環への随伴表現の微分表現を具体的に行列で計算しちゃうんだもの (p. 29 あたり)。 こりゃすごいです。普通はそんなこと考えもしないと思う。

「計算」という行為が持つパワー

を改めて知ったような気がします。
後半に入って、p 進体の話になるともっとすごくなるんだけど、この辺りは西山はちょっと沈没しかかっていました。

最後の方の第6章(ゼータ関数の収束)と第7章(概均質ベクトル空間の分類)はちょっと初心者にはお勧めしにくいけど、 最初の方は代数群の作用と軌道空間の理論への絶好の入門になっています。 和書では代数群の作用とか軌道を扱った本が少ない(というより皆無に近い?)ので、 専門家でも一読の価値はある。
真ん中あたりは群論や数論と Fourier 変換(特に Poisson の和公式)がどのように結び付いているのかという格好の題材です。 書き方も丁寧だし、第5章までは学生さんに特にお勧め。 留数計算とかまでちゃんと書いてくれていますから。

読んでて改めて認識したのは、この分野における、佐藤幹夫、新谷卓郎、行者明彦、佐藤文広といった人たちの 足跡の大きさです。もちろん木村さんも最前線で活躍されているわけで、 この本の著者としては最適ですね。

この本には、驚くほどミスプリが少ないですが、 それをOさんに言ったら、

あれは行者さんが校正したらしいからなぁ

という返事が返ってきました。 ナットク (^^;;;

[Tue Dec 28 18:28:49 JST 1999]

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脇本実,
無限次元 Lie 環,
岩波講座現代数学の展開3、 岩波書店

著者の意気込みを感じる本ですね。 分厚いんだけどとても読みやすい。 細かい計算もかなり丁寧に書いてあるからでしょうか。

最初の方はごく普通の Lie 環の教科書としても読めるでしょう。 しかも証明の仕方が独特で面白い。 普通有限次元の Lie 環を扱うときにはやらないような方法が随所に使われています。
また面白い例え話もあって読んでて楽しいですね。たとえば p. 27 の富士山の話とか、 第6章の

Virasoro 代数と affine Lie 環の熱烈な恋の話

とか。 とにかく面白い。

目玉はやはり無限次元 Lie (スーパー)代数の指標公式、分母公式と、 指標の持つ modular property の話でしょう。 和書でこのような解説を書いた本は見当たりません。 第一人者の意気込みと威厳さえ感じます。

最初のうちはミスプリがほとんどないんですが、最後の方、第4章あたりから急激にミスプリが増えます。 これは少し残念でしたが、時間的余裕がなかったのかもしれません。

[Tue Dec 28 18:51:11 JST 1999]

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Harish-Chandra (Notes by S. DeBecker and P. J. Sally, Jr.),
Admissible invariant distributions on reductive $ p $-adic groups,
University Lecture Series 16, AMS, 1999.

まさか1999年になって Harish-Chandra の本が出るとは (^^;;; DeBecker と Sally の書いた introduction がこの方面の話の(現在の)研究状況を概観していて役に立ちます。 $ p $ 進群の指標については勉強不足で、Howe がこんなに大きな役割を果たしていたとか知りませんでした。(情けないです (-_-;)

今回 MathSciNet で検索してみたら、息子さんの Premi Chandra 氏の思出話なんかも引っ掛かりました。 Langlands も追悼文(?)を書いてるようです。 しかしこれで西山にとってモヤモヤしてた

Harish-Chandra の姓と名は何なのか?

については結論が出たような気がします。なにしろ息子さんの名には Harish がないですから。

Harish-Chandra の姓に関しては堀田先生から objection が入りました。

やはり Harish-Chandra で一つ

で、名である(つまり通常言う first name)とのこと。
Narasimhan とか Parthasarathy も元は一つの名前しかなく、イニシャルはお父さんとかおじいさんの名前をもらっているとのことです。
息子さんの名前については、渡米して姓がないのは不便なので、Chandra を姓に使ったのではないか、というお話でした。
[Tue Feb 8 10:57:37 JST 2000]

[Mon Aug 23 15:57:46 JST 1999]

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W. Fulton,
Young Tableaux,
London Math. Soc. Student Texts 35, Cambridge Univ. Press, 1997.

AMS の Bulletin にこの本の書評が出ていた。しかしどうもその書評が突っ掛かる(あるいは難癖をつけている?)ところがあるので、 ま、実地に読んでみようと思って読んだ。前から読もうと思って買っといた本なので、きっかけにしか過ぎないが。

さて、本書は「組み合わせ論」「表現論」「交差理論 (intersection theory)」の三つのパートからなっている。 ま、各分野で実は同じことをやっていて、これとあれは似てるなーとか思ってるのだが表現方法の違いでどうもわからない。 そこで各分野における意味とか手法などを Young tableaux という視点から解説あるいは関連づけをした教科書と言える。 こりゃ Fulton でないと書けないな、と正直脱帽。 最初の二つ「組み合わせ論」と「表現論」に関しては、たくさんの人材がいると思うのだけど、最後の intersection theory が曲者。 また Young 図形を扱った本は多いが、このような異分野の橋渡をする本はやはり貴重かつ希少である。

もっとも生き生きしているのは最初の二つの章で、自分の専門分野にはいると歯切れ良さを欠くような感じを受ける。 西山が一番弱い分野なのでそう感じるのかも知れないが。 また最後の章なので、すでに用意された「組み合わせ論」と「表現論」がフル稼働するあたりもついていけない部分が出てくる理由かもしれない。

Macdonald と Stanley の本(Stanley のはつい最近ものすごく分厚いのが出た)を大いに意識はしてるが、 基本的なスタンスが全然違う。 Macdonald はできるだけ解釈をさけ、高度に抽象化しようとする意思を感じるが、Fulton の方は常に題材から出発する。 数学を学ぼうとするものにとっては Fulton のアプローチが良いように思う。(もちろん専門家にとってはまた違うだろう)

ところで、本書を読んで初めて、

Schensted と Robinson-Schensted と Robinson-Schensted-Knuth 対応の違い

が分かった。実に不勉強の極み。反省しなくっちゃ。 これに関しては cohomological induction との関係から最近 P. Trapa の仕事があるので、 さらに題材は豊富になりつつある。 彼のアルゴリズムが、本書に載ってるいずれかのアルゴリズムに一致するのかどうか知らないが、非コンパクト群の無限次元ユニタリ表現論と結び付けばそれはまた面白かろうと思う。

[Thu Aug 12 19:28:30 JST 1999]

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堀田良之,
環と体2, 岩波講座/現代数学の基礎,
岩波書店、1998

堀田先生の本はハズレがないですね。スリリングで面白い。それに「優雅」です。 お薦めの一冊。

基本的には「一変数代数関数体」の話がメインですが、教科書的な制約(?)から前半はガロア理論。 しかしガロア理論を後半に生かしきっているので、このような形のガロア理論の教科書(ガロア群を被覆群ととらえる幾何的な記述)としては出色のできと思います。 もっともそんなにガロア理論の教科書を読んでないので、あまり当てにしないでください(無責任 (^^;;;)。

細かいところでは、「代数学の基本定理」の証明の注意

「代数学の基本定理」と称しても、その実体は畢竟、実数の連続性にある。

がなかなか面白い。あ、証明も変っていて面白かったです。 それと、当たり前といえば当たり前だけど、実数体の自己同型群が自明である、っていう演習問題も西山には新鮮でした。 (そんなこともしらんで数学やっとるのか、と言われそうだ)

代数関数体の部分は執筆中に題材をお聞きしたりした。 そのとき「そういや上野先生の本にもリーマン・ロッホと合同ゼータは出てました」なんて間抜けな話をしたりしたのを思い出します。 今回この本を読んで代数幾何との違いを目の当たりにしました。

[Thu Aug 12 19:12:16 JST 1999]

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向井茂,
モジュライ理論1,
岩波講座/現代数学の展開/13、 岩波書店, 1998

落合さん@九大に噂を聞いて読んでみました。 面白かったです。 最初と最後が特に面白く、 不変式論ってこんな風なのか、と認識を新たにしました。 中間部分も不勉強な西山には勉強になることばかりで、楽しく読めます。 永田先生のヒルベルトの第14問題の解決についても書いてあって、 どうやって証明するのか初めて勉強しました。

個人的には簡約代数群の定義の仕方(ヒルベルト流?)と、 最後の非特異超曲面(semi-stable な超曲面?)のモジュライの構成が強く印象に残っています。 あと、すごいパワーで何でも環でも全部計算しちゃうあたりも(落合さんも感心(?)してましたが)感動的でした。 ポアンカレ級数なんてすごい次数のが書いてあったりします。 (でも確かにポアンカレ級数ってすぐに複雑になっちゃうんですよね、これが)

難点は、ミスプリが多いこと。ところ構わずあります。 堀田先生はご自分の本(環と体1)を評して

「殆んど到るところ (= dense に) ミスプリがある」

とおっしゃってましたが、まさにそれに近い。 しかも重要な定理の主張とか、あるいはキーになる式でミスプリがあったりする。 これ、素人にはとても大変です。再版の際には直して欲しいなぁ。

なにしろ第2巻が楽しみ。早くでないかなー。
[Fri May 21 16:40:21 JST 1999]

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Joe Harris,
Algebraic Geometry -- A first course,
GTM 133, Springer Verlag, 1995 (corrected 3rd printing, original in 1992).

すごい本です。全編これ例の塊り。 おまけに演習問題がこれまたすごい量の濃い内容。 序文に、

「例と演習問題を全部やろうとするやつはマゾに違いない」

というような事が書いてあるけど、その通り。

でも面白かったです。いやー、連発してますけど、生涯にそう何冊も出会える本じゃないですね。

内容はだいたい射影幾何学のお話で、メインのテーマは、次元論、次数の話、接空間(接錐)など非特異性に関する議論、 そして最後にモジュライの話がやってきています。 これを全て例で実践しながら、一般論まで高めるところがすごい。それでもって、たった300ページですから。 もっとも途中の議論、証明などは演習問題となっていることも多いです。

Veronese 曲面、Segre 多様体、determinatal variety (これの日本語訳ってどうなってるんでしょ?)、Fano 多様体、 Grassmann 多様体と incidence correspondence , 種々の curve, scroll, secant variety, Gauss map などが余すこと無く解説されています。 しかも一度出てくると終りではなくパワーアップしながらなんどもなんども出てくるところなんか、著者の経験の奥深さを物語っているといえるでしょう。

情けない話ですが、次元とか次数の計算に incidence correspondence がこれほど有効に使われるのだということを初めて知りました。 あんなの単に部分集合とその母集合のペアを考えてるだけじゃないの、とか思ってましたが、素人のあさはかさですね。 表現論でもすでに旗多様体の例があるんだから、もっと真剣に考えておくべきでした。 また直線とか線型空間から生成される多様体とか、射影といったものもこれほど役に立つとは思ってなかった。 はっきり言って馬鹿でしたね。それが分かっただけでもこの本を読んだ価値はありました。

さて、著者も書いていることですが、この本ではスキームの理論はまったく出てきません。 すべて多様体としてやる。体は代数的閉体ではあるけど、標数はほとんどの場合制限がありません。 これは結構すごいことです。

スキームではなく、多様体だということは強調されているけど、 逆説的に、いったいどんな場合にスキームの理論が真価を発揮するのかが、その都度コメントされていて、 Grothendieck 流の話に入るための良き動機付けになっていると思います。

誰か演習問題解いて解説書出しませんか? (^^;;
[Fri May 21 16:28:36 JST 1999]

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R. Bott / L. W. Tu (三村護訳),
微分形式と代数トポロジー,
シュプリンガー・フェアラーク東京, 1996

何を今更、と言われそうですが、買ってからはや3年が経ってしまったんですねー。 月日の経つのは速いです。
ようやく暇が少しできたので今年の初め頃に読みました。 面白かったです。生涯何冊とは出会わない名著に入ると思います。 ホモロジー理論の本も何冊か読んだし、スペクトル系列の話なんかも勉強する機会は多いですが、 何となくしっくり来ないものを感じていました。 しかしこの本ではベースを微分形式に固定して具体的な微分幾何の話として展開するので、その意味、原初的な使われ方がとてもクリアです。 Leray, Serre といった人たちの偉業もおぼろげながら理解できたような気がします。

第IV章の「特性類」の章がとびきり面白かったです。 グラスマン多様体とそのチャーン類の計算、ベクトル束の分類と(唯一の)コホモロジー不変量としてのチャーン類の話 なんかも、素人の西山には新鮮でした。 なかなかこんな話を入門的に書いてくれている本はないですからねー。
対して、少しだれ気味だったのは真ん中部分(第III章の後半)のホモトピーの話。 面白く感じなかったのは、専門分野の違いかも知れません。

ミスプリなどは少ない方ですが、おもに日本語訳の過程におけるミスプリが目立ちました。 なにしろ同じ行が二度印刷されていたりする。

「あれ? 同じ行を読んじゃったか、おれも年とったなー」

とか思ってると本当に二行同じ行があるんだもんな。
ちなみに宇澤先生お薦めの一冊でもあります。
[Fri May 21 16:10:04 JST 1999]

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示野信一,
Maple V で見る 数学ワールド,
シュプリンガー・フェアラーク東京, 1999

大学での教材(示野信一、Maple V 入門、岡山理科大学理学部応用数理学科)を大幅パワーアップしてシュプリンガーから出版されました。 Maple 本も最近はたくさん出てますが、数学の楽しさを扱っている本はまだまだ少ない。 この本は Maple の面白さよりも、数学の面白さの方に重点を置かれて書かれた好著だと思います。 敢えて難点をあげるとすれば、それぞれの話題がつまみ食い的になってしまい、掘り下げ不足の感じがあることですが、逆に初心者にはむしろその方がよいかも知れない。 教師が頑張りすぎると生徒がついてこれませんからねー。

著者自身によるホームページもあります。
[Thu May 6 18:28:59 JST 1999]

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A. Borel,
Semisimple groups and Riemannian symmetric spaces,
Hindustan Book Agency, New Delhi, 1998 ISBN: 81-85931-18-6

Borel の新刊というので、Hindustan Book Agency という名前にも惹かれて買ってしまいました。 でも内容は1950年代から60年代の話でした。ま、失敗に近いです。歴史的な話に興味があったらおもしろいかも知れない。 もちろん Borel のファンにはおすすめで、最初の Foreward のところはゴシップとしてはおもしろく読めます。

どうも Borel ファンからはお叱りが来そうだなー (^^;;;
[Tue Apr 20 17:24:04 JST 1999]

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高橋哲也
$ p $ 進体上の簡約代数群の admissible 表現入門
Rokko Lectures in Mathematics 4, 神戸大学理学部数学教室

各数学教室には配布されているのでほとんどの人が目にしていると思います。 内容は全不連結局所コンパクト群の表現の基礎的事項(特に指標、フロベニウス相互律)[前半] と p 進代数群の表現論(Jacquet functor, supercuspidal 表現) [後半] とに分かれて丁寧に解説されているようです。西山もこれで少し勉強しようと思っています。

Rokko Lectures in Math. からは他にも佐藤文広さんの「Eisenstein 級数と概均質ベクトル空間のゼータ関数」というタイトルの集中講義録も出ています。 ご希望の方は少なくとも高橋さんのものは著者のところにたくさん余っているようですから、請求してみてはどうでしょう? 佐藤さんのところにも「限定若干名様」ぐらいの余裕があるようです。
[Mon Apr 19 19:07:14 JST 1999]

最初に「(佐藤文広さんの) p 進体上の Fourier 変換の集中講義のまとめなども出ていておもしろいです」と書いたのですが、これは真っ赤な嘘でした、申し訳ない。こちらは筑波講義録でした。お詫びして訂正します。
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